多部門連携による保健事業

都市部の健康と生活の質は、複合的に絡み合った相関要因により決定づけられます。たとえば、非感染症の危険因子は、教育・交通・雇用など広く社会・環境・経済の状況と結びついています。このような複雑性は、健康と福利の促進対策が保健医療分野のみに限られた取り組みでは不十分であることを意味しています。

多部門連携による保健事業とは、保健医療部門だけではなく、多方面にわたる複数部門が、生活の質を向上させるための公共政策の計画ならびに実施段階に参画することを意味します。その重要な目標は、政策決定や各部門の組織的な実務が、保健および健康格差にどのような影響をもたらすかについての問題意識を高め、人々の健康に貢献できる公共政策の立案と実践を推し進めることにあります。


地方自治体レベルでの多部門連携による保健事業

地方自治体は、多部門連携による保健事業(ISA)において極めて重要な役割を担っています。交通・教育・都市計画などの分野における広範な都市部の健康決定要因に対して、地方自治体がしばしば直接的な影響を与える立場にあるためです。健康増進を促したり健康保護のための法律の制定・施行を図るという点においても、地方自治体が果たしうる役割はその位置づけにおいてふさわしいものです。大都市がISA推進に向けて異なる課題と機会に直面するであろう一方で、小規模な都市では、市民との、また、潜在的な参画者との距離が近いという利点から、ISA促進の可能性が高いといえるでしょう。
都市におけるISAの効果的かつ持続可能な実践を確かなものにするためには、さらなるエビデンスと実際的な指針が求められます。WHO神戸センターは引き続き、地方自治体レベルでのISAに関する研究プロジェクトを行っていきます。

ISAの事例研究に関する論文および報告書

2014年、WHO神戸センターは、地方自治体におけるISAの事例研究に関する新たな論文および報告書を発表しました。事例研究の結果からは、地方自治体がISAを実践し、よりよい健康アウトカムを達成するために役立つ、共通の課題や成功要因についての洞察が得られます。

出版物

多部門連携による保健事業 - 英語版

政策立案者のための手引き

隠れた都市の姿:健康格差是正を目指して - 英語版

第6章 健康格差是正のための都市管理

ポスター

第5回健康都市連合国際大会(2012年10月24日~27日 オーストラリア・ブリスベン)にて発表


イベント

多部門連携による保健事業に関する会議:

多部門連携による効果的な取り組みの実践と持続、政策立案者がそれを拡大・推進するメカニズムを特定するため、WKCは2009年6月神戸市にて保健医療関係者、政策立案者、学識者を招いて検討会議を開催しました。続いて、2010年9月には、フィンランドのヘルシンキにて各出席者の活発な情報交換が行われました。 2010年11月15日には、神戸にて開催された「都市化と健康を考える」グローバル・フォーラムの期間中、政策立案者を対象に多部門連携事業についての特別協議を行いました。

お問い合わせ

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